Collab Interview

interviewer:ENKA VINYL / 2026.March

●ソフビに魅了され、2011年から日本でソフビ制作を開始

あなたは長年ソフトビニール・トイのクリエイターの第一人者として知られています。そんなあなたが、日本のソフビに出会った最初の記憶を教えてください。

そう言っていただけて光栄です。ありがとうございます。

私が初めてソフビを手に取ったのは2007年、サンフランシスコにあった初代Super7の店舗でした。ちょうどItokin Parkのカスタム作品の展示が行われたばかりで、それらは本当に美しく、ショーケースにはGargamelのミニサイズ・ソフビもたくさん並んでいました。一目惚れでしたね。Gargamelのしゃがんだポーズの《デスラ》を購入しました

あなたはいつ頃、どのような理由で、自分でソフビを作ろうと思ったのでしょうか?また、ソフビを初めて作ったときはどのような苦労があったでしょうか?

2009年にオレゴン州ポートランドで開催されたGrasshutの展示でBwana Spoonsに出会いました。彼はその時、新作フィギュア(Sloth and Moth)をリリースしていて、素晴らしい絵画作品もたくさん販売していました。当時私はレジンキャストのフィギュアを作っていて、Bwanaがそれを彼のショップで取り扱ってくれることになったんです。

その時に、自分もソフビを作りたいと相談すると、「Velocitron(日本で活躍するソフビ・クリエイター)に連絡してみるといい」と言われました。そこでVelocitronと連絡を取り、2011年に日本へ移住することになりました。その時にはすでに私の最初のソフビ作品が生産に入っていました。

最初はすべてが新鮮で、完璧に感じられました。日本語はほとんど話せませんでしたが、Datadub(Don Krazezr)、Refreshment Toy(Aya)、Pop Soda(Hossy)など、多くの人に助けてもらいました。

その後2012年頃、Velocitronが多忙になり、ソフビの生産工程をすべてを自分でやらなければならなくなりました。工場と直接やり取りするようになったことで、日本語もかなり覚えたと思います。

《Ugly Unicorn》など、あなたのオリジナルのソフビは、いつもどのようなことから創作のインスピレーションを得ているのでしょうか?

最初の作品である《Ugly Unicorn》は、2007年にシアトルで見たジム・ヘンソンのドローイング展示と、マーク・ナガタのコレクションブックで見たジャミラの体型から影響を受けています。

造形スタイルは、Super7の2パーツ・モンスターシリーズのスケール感に大きな影響を受けました。作品ごとにインスピレーションは異なります。例えば《Kesagake》は、北海道で実際に起きた、ヒグマが暴れまわった事件から着想を得ています。

現在、日本とアメリカ以外でも、主にアジア全域でソフビ・ブームが巻き起こっており、かつてないほど多くのアーティストがソフビで作品を発表するようになりました。あなたは、現在のソフビ・ブームについてどのようにお考えでしょうか?

良いこともあれば、良くないこともありますね。でも前向きに考えるなら、多様性があるのは良いことだと思います。人それぞれ、好きなものを選べるし、いろんな人が楽しめる世界であってほしいです。

個人的には、ソフビがときどき異常に高額になるのは好きではありませんが……まあ仕方ないですね。だからこそ私は、手頃な価格の小さいものをたくさん作るようにしています。それがコレクションを楽しいものにしてくれると思っています。

●新作は大好きな怪獣《ジャミラ》

あなたは過去には2014年にジャミラをソフビ化しており、またブルマァクやマーミットのジャミラのソフビを収集するなど、大のジャミラ好きで知られています。何故ジャミラはそこまであなたを魅了するのでしょうか?

マーク・ナガタのヴィンテージ怪獣/ソフビの本で、オリジナルの黄色いブルマァク版ジャミラの写真を見たのがきっかけです。純粋にデザインが好きでした。それが私のコレクションや、最初のトイデザインにも影響しています。

秋田に住んでいた頃には、成田亨さんによるオリジナルのジャミラのイラストを見るために青森まで足を運びました。

その後、赤松和光さん(マーミット)のおかげで、2014年に自分自身のジャミラを制作するライセンスを取得することができました。残念ながら現在そのライセンスは利用できませんが、探している方には幸運を祈ります!

今回、あなたがENKA VINYLで発売するジャミラは、造形的にどのようなことを意識して作られたでしょうか?

今回のジャミラは、少し過剰なデフォルメでありながら、とても「大きく感じる」存在にしたいと思いました。胴体を通常より大きくデザインしつつ、オリジナルの魅力でもある細くて間抜けな腕は残しています。

今回はドローイングを元に制作する必要があり、何度か修正を重ねました。私は普段、絵を描かずに、アイデアや参考資料から直接クレイやワックスを彫るので、「描いたものを彫る」というのは自分にとって大きな挑戦でした。

●ENKA VINYLで広がるソフビのアイディア

ENKA VINYLにはどのようなことを期待してコラボレーションを決めたでしょうか?

ENKA VINYLの吉水さんとこの企画について話し始めた頃、ENKA VINYLはまだ始まっていませんでした。彼はまだSwimmyDesignLab名義で活動していました。正直、Swimmyがスタッフを抱える会社であることすら知りませんでした(笑)。

吉水さんは、私が雑司が谷の自宅で展示を開催していた頃(2012〜2016年)にも来てくれていました。日本を離れてからも連絡を取り合っていて、最終的に新しいスタンダードサイズのジャミラ制作を手伝ってくれることになりました。

ENKA VINYLと仕事ができるのはとても刺激的ですし、このコラボレーションを通じて、私の作品が日本やアジアでもっと多くの人に届くことを願っています。

あなたは今後、ENKA VINYLで作ってみたい怪獣やヒーローはありますか?もしあれば、理由とともに教えてください。

小さなサイズの科学特捜隊メンバーとビークル(乗り物)のシリーズを作ってみたいですね。スタンダードサイズの怪獣ソフビと一緒に遊べるスケールだと楽しいと思います。

もちろん、ピグモンも大好きです!ピグモンは完璧な「キモカワ」怪獣です。

最後に、世界中のソフビ・ファンにメッセージをお願いします。

高価なものや流行っているものではなく、「自分が本当に好きなもの」を集めてください。手に入りにくいからという理由だけで追いかけるのは、フラストレーションが溜まり、最終的には満たされません。

もちろん、好きなものが人気になって入手困難になることもありますが、トレードという楽しみ方もあります。

何より大切なのは、楽しむこと。その気持ちを忘れないでください。

RAMPAGE TOYS

ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人アーティストによるソフビ・ブランド。原型制作から彩色まで自ら手掛ける、徹底したDIYスタイルが特徴。パンクな感性とカワイイが融合した独創的なキャラクターと、中毒性のある鮮やかなハンドペイント技術が、世界中のコレクターから高く評価されている。

https://www.instagram.com/jmrampage/